日中韓三国協力事務局(以下:TCS)は、6月10日(木)、日本経済団体連合会、中国国際商会及び韓国全国経済人連合会の後援の下、「活力ある高齢化社会のためのビジネスイノベーション〜課題をチャンスに〜」をテーマに、日中韓企業家フォーラム2021をオンラインにて開催しました。本フォーラムは、日中韓の専門家と企業家が一堂に会し、高齢化社会の課題解決におけるビジネスの役割と可能性について議論し、各国の革新的なビジネスモデルやソリューションを共有しました。
各セッションに先立ち、問題提起のスピーチでは、日中韓三国の少子高齢化の全体像を俯瞰的に捉え、豊かな高齢社会を構築するには、「公助、共助、自助」の重要性、またDX(デジタル・トランスフォーメーション)が高齢化ビジネスを後押しする力となることが強調されました。
セッション1では、専門家がシニア・ヘルスケア産業の動向を分析し、官民双方による様々なアプローチ、特に三国のビジネスイノベーションやセクター間の連携の事例を紹介しました。パネルディスカッションでは、シルバーエコノミーへの新しいビジネスの参入に関する規制、高齢者のデジタルリテラシー向上のための施策、シニア・ヘルスケア産業における「スイートスポット」といわれるビジネスチャンスなどについて、パネリストの間で活発な議論が行われました。
セッション2では、シニア・ヘルスケアビジネスを展開する日中韓の大企業やスタートアップ企業の企業家らが、高齢化の課題に対応する革新的、或いはユニークなビジネスモデルやソリューションを紹介しました。中国の各企業からは、介護施設ケア・社区(コミュニティ)ケア・在宅ケアの「三位一体」の中国式ヘルスケアビジネスモデル、スマート・ヘルスケア・ビッグデータの構築を目指すチェーン型ヘルスケア・ビジネスソリューションが紹介されました。日本の各企業からは、認知症高齢者対応の居住ビジネスモデル、排泄を予知するウェアラブル機器の開発事例が共有されました。韓国の各企業からは、高齢社会の課題を解決するCSV(共通価値創造)経営モデルの事例、ストレス管理及び認知症予防のためのデジタル・ヘルスケアサービスを提供するソリューションが紹介されました。パネルディスカッションでは、シニア・ヘルスケアビジネスにおけるテクノロジーの利活用、デジタル製品の均一化の問題、高齢者にやさしい製品設計及びサービスの創出などについて意見交換が行われました。
日中韓企業家フォーラムは、ビジネス分野における革新的なアイデアを共有するためのプラットフォームを提供し、日中韓のビジネス協力を促進するためのTCSの年次イベントです。本年度のフォーラムは、TCS創設10周年記念シンポジウムシリーズの一つとして開催され、日中韓三国政府、自治体、ビジネス経済界及び学界から300名以上の参加者が視聴なされるなど、高い関心を集めました。
3. 祝辞を述べる于健龍(う・けんりゅう)、中国国際貿易促進委員会秘書長兼中国国際商会 執行副会長、秘書長
4. 祝辞を述べる椋田哲史日本経済団体連合会専務理事
5. 祝辞を述べる裵祥根(ぺ・サンクン)韓国全国経済人連合会(FKI)専務
6. 問題提起のスピーチを行う亜細亜大学アジア研究所の大泉啓一郎教授
7. 閉会の辞を述べる姜度好(カン・ドホ) TCS事務次長