日中韓三国協力事務局(TCS)は、6 月24 日(木)に韓国・済州島で開催された第 16 回平和と繁栄のための済州フォーラムにおいて、設立 10 周年記念イベントの一環として、「日中韓三国協力:平和と繁栄に向けて共に」と題したシンポジウムを開催しました。道上尚史 TCS 事務局長が、10 年間のTCSの足跡を中心に基調講演を行い、セッションにはオフラインとオンラインを合わせて150名以上の参加者が集まりました。
道上事務局長は、日本、中国、韓国が地域協力のために行ってきた取組みが成功を収めていることを述べ、これまで進展してきた多様な三国協力の仕組みを紹介しました。また、TCS 設立10周年を迎えたことは、新たな発展の時代に踏み出すことを意味しており、政府間と民間の両方で協力の基盤をさらに強固なものにしていくことが TCS の責任と義務であることを再確認しました。今年の済州フォーラムのテーマである「持続可能な平和、包括的な繁栄」に沿って、韓国国立外交院の崔源起(チェ・ウォンギ)教授、中国対外経済貿易大学の魏玲(ぎ・れい)教授、毎日新聞社の坂口裕彦ソウル支局長は、モデレーターの釜山国立大学の張暮輝(ちょう・ぼき) 助教授とともに、変化の激しい時代における日中韓協力の発展に向けて TCS が取るべき次のステップについて意見を交わしました。TCSの活動領域の拡充と、日中韓の「若い世代のつながり」を醸成する、三国協力の根幹となる人の交流の促進が提案されました。このような努力は、三 国の市民の間の「社会的信頼の構築」につながり、それにより三国協力の持続性が強化されること、また、相互理解を深めるうえでTCSが果たす役割が重視されている旨述べられました。
済州島フォーラムは、アジアの持続可能な平和と繁栄に関する未来のビジョンを議論し、共有するための地域的な対話プラットフォームです。